お知らせ

スタッフブログ 2015年6月5日

エコチル調査の集計データを「北海道小児保健研究会 学術集会」発表しました。

こんにちは。木々の緑が日一日と濃くなり、初夏の過ごしやすい季節になりました。

5月23日(土)に、北海道小児保健研究会の平成27年学術集会が、札幌医科大学であり、エコチル調査北海道3地区(札幌・旭川・北見)のデータの一部を集計して報告してきました。

北海道ユニットセンターでは、エコチル調査により関心をもってもらうため、小児科領域の学会や周産期談話会、公衆衛生学会などで、データ集計など調査の進捗を報告しています。北海道小児保健研究会は、北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学の小児科教室をはじめ、病院や保健所などの医療職の先生方が多い研究会です。エコチル調査全体の進行だけでなく、調査に参加しているお子さま達の疾患情報登録調査でお世話になっている先生もいます。今回の学術集会では、エコチル調査業務担当にもなっていただいている北大小児科学講座 有賀正教授が「免疫と免疫関連疾患」と題して特別講演をなさいました。免疫関連疾患というと喘息やアトピーなどアレルギー疾患が含まれますが、発症のメカニズムや研究の動向について解説されました。

北海道ユニットセンター事務局からは、エコチル調査のお子さまの1歳までの発達を中心に集計結果の一部をお話しました。集計したのは、6ヶ月調査票7136名分と1歳調査票5708名分でした。調査票の中から、発達全般(体全体を使う運動や、指先・手先の運動、コミュニケーションなど)に関する質問への回答状況をみてみました。この発達全般を調べるために用いた指標はASQ(Ages & Stages Questionnaire)といい、海外ではよく用いられますが、日本ではエコチル調査が初めて使用しています。

会場からは、7000名、5000名といった調査票の人数の多さに驚かれ、「発達の状態にどんな環境要因が影響しているか興味深い」「貴重な調査だ」との期待をこめた感想をいただきました。

お子さまが13歳になるまでという長期間の調査ですが、参加してくださっている皆さんがあってこその調査だと改めて感謝の気持ちを抱きました。同時に、北海道だけでなく、全国10万人で明らかになる知見は、小児保健に携わる方々へのフィードバックしていくことで、未来の子どもの健康に繋がるのだと思いました。今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。

エコチル調査 北海道ユニットセンター事務局
池野多美子