エコチル調査について
全国10万組の親子を対象に、お子さんが胎児期から長期にわたって見守ります
エコチル調査は、全国10万組の子どもたちとそのご両親にご協力いただいている、日本初の大規模調査です。
エコチルは「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせた言葉で、正式には「子どもの健康と環境に関する全国調査」といいます。
赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から長期間にわたって、定期的に子どもたちの健康状態や成長の様子を調べます。
環境省が主体となって国立環境研究所が運営し、全国15地域にある拠点(ユニットセンター)で調査を行っています。
子どもの健康と環境の関係を調べます
私たちの生活環境の中にある物質(空気や水の中の化学物質、ダニやハウスダストなどのアレルギー物質など)が、子どもたちの健康や成長にどのような影響があるかを調べます。
環境中の物質と子どもの健康や成長を調べるわけは
近年、子どもたちの間でぜん息やアトピー、肥満や発達障害などが増えていると言われています。
また、私たちの身の回りには化学物質を含む製品がたくさんあり、それらを日常的に使って生活しています。
こうした人工的に作り出された化学物質が、私たちの健康や子どもたちの成長にどのような影響を与えているのか、まだ詳しくわかっていません。
10万人もの子どもたちを対象に長期にわたって調べるわけは
赤ちゃんがお腹の中にいる時から小児期までは、健康な体をつくるのにとても大切な時期です。この時期は大人より化学物質の影響を受けやすいとされています。また、いろいろな病気を引き起こす原因まで明らかにするためには、人数が少ないと詳しい分析ができません。そのため、10万人の子どもたちの成長の様子を、まずは小児期までの影響がのこる13歳までみさせていただきます。
さらに、思春期以降の健康への影響を調べるため、13歳以降の調査が2024年度からスタートします。
研究期間は2011年から長期にわたります
最初の3年で10万人の妊婦さんを募集・登録を行い、血液、尿、母乳、毛髪などを提供していただきました。その後は定期的にアンケート調査を行い、子どもたちの心とからだの健康状態や生活習慣などを調べます。
研究成果はすでに社会での活用が始まっています
これまでの調査によって、徐々に化学物質の影響についてわかってきつつあります。随時ホームページで調査からわかったことを公開しています。
また、研究成果はすでに社会のさまざまなところで活かされています。
ご協力いただく調査について
エコチル調査には、全国の調査参加者全員を対象として実施する「全体調査」に加えて、一部の方を対象としてより詳細な内容について実施する「詳細調査」、さらに各ユニットセンターが独自に実施する「追加調査」の3つがあります。また、いくつかの疾患の診断を受けた方には「疾患情報登録調査」にもご協力いただく場合があります。また、参加協力をいただける方を対象とした「乳歯調査」も始まっています。
全体調査の内容
全国でご参加いただいている10万人すべての方に、統一した方法で行う調査のことをいい、エコチル調査の柱となる調査です。お子さんの健康状態や生活環境・生活習慣等についてうかがう質問票調査と、身体計測や精神神経発達検査などを行う学童期検査を実施しています。
質問票調査は、お子さんが生まれてから6か月ごとにご回答いただきました。小学校に入ってからは、誕生月と学年ごとの年2回となっています。
さらに13歳以降は、専用アプリを使ったWeb質問票に移行し、保護者とお子さんそれぞれにご回答いただきます。
学童期検査は、小学校6年生のお子さんを対象に身体測定や発達検査を行います。質問票では得られないことを、直接対面して調べます。
詳細調査の内容
全国10万人の参加者のうち、無作為に選ばれた5000人を対象として、お子さんの健康と生活環境をよりくわしく調べます。それぞれの居住環境・生活環境についての訪問調査、身長・体重の計測のほか、採血検査と小児科医による直接診察を行う医学的検査、訓練を受けた検査者による精神神経発達検査があります。
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追加調査の内容
各ユニットセンターが独自の計画・予算で、調査への参加について同意をいただいた方を対象に行う調査です。事前に環境省の承認を受けて実施します。
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疾患情報登録調査の内容
長期間にわたる調査の過程で、いくつかの疾患の診断を受けたお子さんを対象として、かかりつけの医療機関から医学的な情報を提供いただくための調査です。
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乳歯調査の内容
お子さんが10歳(小学4年生)になった時に乳犬歯を2本ご提供いただき、取り込んだ化学物質を分析する調査です。
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