国際連携

環境健康科学研究教育センターの研究成果を国内外へ発信すること、また海外の研究拠点との密接な情報交換及び人的交流を通じて、環境健康科学分野における国際的な取り組みを積極的に推進しています。

センター開設当初から、北海道大学で開催している「サステナビリティウィーク」にて国際シンポジウムを主催し、国内外の研究者との研究交流を行うと共に、広く市民の皆様との情報共有を図ってきました。その他、大学間協定校協力事業として連携大学関係者の招へい・訪問、フォーラムの開催などを積極的に行っています。

今後も海外からの研究者の受け入れ、日本からの派遣を推進すると共に、国際共同研究の実施を目指します。

BiCCA(Birth Cohort Consortium of Asia)

近年、世界中の様々な組織や機関により、環境からの化学物質曝露による健康への悪影響が問題視されるようになり、特に子どもにとってより重要であることが世界的に認識されるようになりました。

これを受けて、世界各地で胎児期から前向きに追跡するコーホート研究(出生コーホート研究)が行われるようになり、歴史的に最も多くの国で疫学研究の実績がある欧州では、既存の(あるいは新規に計画中の)出生コーホート研究が集まり“Environmental Health Risks in European Birth Cohorts (ENRIECO Project)”が2009年に設立され、多くの研究結果が出ているのに対し、アジア・太平洋地域の国々では環境と子どもの健康に関する問題が十分に認識されているとはいえない状況があります。

一方、アジアには様々な人種がおり、生活習慣、発達、環境問題もまた多様です。また、国境を越える化学物質の移動、廃棄物処理の問題、気候変動による影響などの世界で同じ問題に直面している反面、急速な経済発展とグロバリゼーションや急増する都市化(顕著な大都市集中)など、欧州と異なる諸問題も存在しています。

こうした背景から、アジアにおける出生コーホート間での国際協力が欠かせないものである、と考え、2011年、アジアの出生コーホート研究コンソーシアム(Birth Cohort Consortium in Asia: BiCCA)が設立されました。

BiCCAは、アジアでの先駆的な出生コーホート研究である台湾のTaiwan Birth Panel Study(TBPS)、韓国のthe Mothers and Children’s Environmental Health Study (MOCEH)、そして当センターの推進する、the Hokkaido Study on Environment and Children’s Health(北海道スタディ)、以上の3つの出生コーホートそれぞれの研究代表者であるPau-Chung CHEN、Eun Hee Ha、そして岸玲子によって2011年に設立しました。BiCCAの目的は、コーホートと研究者の知識交換と協力の促進、そして、子どもの環境と健康に関する研究に今後必要とされる課題を明らかにしていくことです。

 

詳しくはBiCCA公式ウェブサイトをご覧ください。


http://www.bicca.org/