環境と健康ひろば

環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」

近年、人々を取り巻く社会環境、生活環境は大きく変わってきており、環境の汚染や変化が人の健康などに悪影響を及ぼす可能性(=環境リスク)が増大しているのではないかという懸念があります。特に環境中の有害要因に対する子どもの脆弱性について、関心が高まっています。

そこで環境省では、環境リスクが私たちに与える影響を明らかにするため、お母さんのお腹にいる時から13歳に達するまで定期的に子どもたちの健康状態を確認 する出生コホート(追跡)調査を開始しました。

この調査は2011年に始まり、日本全国各地で10万人のお母さんと赤ちゃんに参加してもらう大規模な疫学調査です。赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳に達するまで、定期的に健康状態を確認させていただき、 化学物質の曝露や生活環境などの環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにしていきます。

エコチル調査は環境省が実施するもので、独立行政法人国立環境研究所が中心となり、下記の15か所の地域で行っています。

北海道は、北海道大学 環境健康科学研究教育センター内に北海道ユニットセンターを開設しています。

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図1 全国15か所のユニットセンター(クリックすると拡大されます)

 

人々を取り巻く社会環境、生活環境は大きく変わってきており、それにともない、環境の汚染や変化が人の健康などに悪影響を及ぼす可能性(=環境リスク)が増大しているのではないかという懸念があります。

なかでも、化学物質など環境中の有害物が子どもの成長・発達にもたらす影響について、国内外で大きな関心を集めています。

環境リスクが私たちの健康に与える影響を明らかにするために、従来から動物実験や基礎研究を中心としたメカニズムの解明が図られてきました。しかし、動物と人間とでは、形態学的、生理学的に大きな違いがあることから、動物実験の結果だけから人間の健康影響を知ることには困難があります。人間に悪影響が生じているのかどうかを、実際に人間の集団で観察する研究方法(疫学調査)が重要になります。

脆弱であるとされている子どもたちの健全な成長・発達に、環境要因がどのような影響を与えるのかを明らかにすることはとても重要です。そこでエコチル調査では疫学的アプローチによって、化学物質のばく露や生活環境など、胎児期から小児期にわたる子どもたちの成長・発達に影響を与える環境要因を明らかにすることを目的としています。

エコチル調査によって子どもたちの成長・発達に影響を与える環境要因が明らかとなれば、リスク管理部局への情報提供を通じ、自主的取組への反映、化学物質規制の審査基準への反映、環境基準(水質、土壌)等、適切なリスク管理体制の構築へとつなげることができます。

未来の子供たちが成長し、 安心して子供を育てることが出来る環境を作って行くために、エコチル調査へのご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

 

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2013年9月2日 更新

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