BiCCA

BiCCA(Birth Cohort Consortium of Asia)

近年、世界中の様々な組織や機関により、環境からの化学物質曝露による健康への悪影響が問題視されるようになり、特に子どもにとってより重要であることが世界的に認識されるようになりました。

これを受けて、世界各地で胎児期から前向きに追跡するコーホート研究(出生コーホート研究)が行われるようになり、歴史的に最も多くの国で疫学研究の実績がある欧州では、既存の(あるいは新規に計画中の)出生コーホート研究が集まり“Environmental Health Risks in European Birth Cohorts (ENRIECO Project)”が2009年に設立され、多くの研究結果が出ているのに対し、アジア・太平洋地域の国々では環境と子どもの健康に関する問題が十分に認識されているとはいえない状況があります。

一方、アジアには様々な人種がおり、生活習慣、発達、環境問題もまた多様です。また、国境を越える化学物質の移動、廃棄物処理の問題、気候変動による影響などの世界で同じ問題に直面している反面、急速な経済発展とグロバリゼーションや急増する都市化(顕著な大都市集中)など、欧州と異なる諸問題も存在しています。

こうした背景から、アジアにおける出生コーホート間での国際協力が欠かせないものである、と考え、2011年、アジアの出生コーホート研究コンソーシアム(Birth Cohort Consortium in Asia: BiCCA)が設立されました。

BiCCAは、アジアでの先駆的な出生コーホート研究である台湾のTaiwan Birth Panel Study(TBPS)、韓国のthe Mothers and Children’s Environmental Health Study (MOCEH)、そして当センターの推進する、the Hokkaido Study on Environment and Children’s Health(北海道スタディ)、以上の3つの出生コーホートそれぞれの研究代表者であるPau-Chung CHEN、Eun Hee Ha、そして岸玲子によって2011年に設立しました。BiCCAの目的は、コーホートと研究者の知識交換と協力の促進、そして、子どもの環境と健康に関する研究に今後必要とされる課題を明らかにしていくことです。

詳しくはBiCCA公式ウェブサイトをご覧ください。

http://www.bicca.org/