調査でわかったこと

母さんの妊娠中の環境要因は子どもの問題行動と関係している?

この研究の目的

妊娠中のお母さんの様々な環境要因(生活スタイル、社会経済要因など)が、5歳時の子どもの問題行動
とどのような関係があるのかを検討しました。

どのように調査したの?

2008年~2010年に生まれ5歳になった子どもを対象に、子どもの行動スクリーニングのための「子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)」を郵送し、保護者に記入、返送をしてもらいました。妊娠中にお母さんに回答いただいた飲酒、喫煙などの生活習慣や教育歴、年収など社会経済的項目、身長、体重や既往歴などに加えて、出産時の体重・身長が5歳のSDQの得点(0~40点の範囲)と関係しているかを調べました。厚生労働省の基準に基づき、SDQはTotal Difficulties(総合的な困難さ)の得点が13点以上を行動面
での問題がある(支援を必要とする)と定義し、解析を行いました。

この研究からわかったこと

5歳での子どもの問題行動は、お母さんが肥満(BMI≧30kg/m2)であること、お母さんの教育歴が高卒
未満、妊娠中の世帯年収が300万円未満、第一子で、男児であることと関連していました。これは社会経
済的に不利であることが、子どもの問題行動と関連しているという海外の報告と同様の結果でした。今後は生後の社会経済的な要因が子どもの行動と関係するのかを引き続き調査する必要があります。

出典:Minatoya M, et al. Associated factors of behavioural problems in children at preschool age: the Hokkaido study on environment and children’s health. Child Care Health Dev. 43 (3):385-392, 2017.