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妊娠中に塩素系農薬にさらされると、子どものホルモンバランスが乱れる?

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妊娠中に塩素系農薬にさらされると、子どものホルモンバランスが乱れる?

DDTに代表される農薬・殺虫剤は、レイチェル・カーソンの著書「沈黙の春」に書かれたように、野生動物、特に鳥の生殖に影響を与える可能性が問題になった物質です。

この研究が明らかにしたこと

お母さんの妊娠中の血液に含まれる塩素系農薬の濃度が高いと、特に男の子でテストステロン、アンドロゲンなどの特定のホルモンが減ったり、逆に増えたり、また二つのホルモンの濃度費が変化したり、といった影響がみられました。

何を調べたの?

お母さんの妊娠中の血液をとり、塩素系農薬29種類の濃度を測定しました。また、赤ちゃんの臍帯血(へその緒の血液)に含まれるステロイドホルモンや性ホルモンの濃度を調べました。

塩素系農薬とは?

DDTに代表される農薬・殺虫剤です。半減期がとても長く、一度排出されると長期にわたって留まります。日本をはじめ多くの国では、既に1970年代にその使用をストップしました。にもかかわらず、食物連鎖を通じて魚や肉などに残留し、低濃度とはいえ、いまだに人の血液中から検出されます。また、一部の途上国では、安価な殺虫剤であるDDTをマラリア対策として未だ使用している国もあります。

この研究から言えること

従来、動物や貝などの問題と考えられていた環境ホルモン作用が人でも起こりうること、特に日本のように現在の残留は低濃度であっても、母がさらされた濃度が高いほど、生まれてくる子どものホルモンバランスを乱す可能性があることを示しています。

出典:
Araki A, et al.
Prenatal organochlorine pesticide exposure and the disruption of steroids and reproductive hormones in cord blood: The Hokkaido study. Environment International Volume 110, Pages 1-13, 2018

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