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妊娠中にダイオキシン類にさらされると胎児の成長に影響する?

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ダイオキシン類って何ですか?

ダイオキシン類はごみ焼却の副産物として発生すると共に、自動車の排気ガスやたばこ煙中にも含まれています。分解されにくいために、海や陸、動物やヒトの体内に長期にわたって蓄積されます。わが国では、ごみの焼却が改善され排出規制ができたため、環境中のダイオキシン類濃度は低下しています。ダイオキシン類は肝臓で分解されますが、化学構造を変えやすい人(代謝されやすい人)と変えにくい人(代謝されにくい人)がいて、個人差があることが分かっています。ダイオキシン類による胎児への影響がある報告とない報告があり、研究結果が一致していません。その理由の一つに考えられるのが、ダイオキシン類による代謝の違いです。

妊娠中にダイオキシン類にさらされると胎児の成長にどのような影響がありますか?


妊娠中のお母さんのダイオキシン類にさらされた量と化学構造の変えやすさが胎児の成長に影響を与えるかについて調べました。その結果、お母さんのダイオキシン類にさらされた量が10倍増えると、化学構造を変えやすいお母さんから生まれてくるお子さんの出生体重は69g小さくなるのに対し、化学構造を変えにくいお母さんから生まれてくるお子さんの出生体重は345g小さくなりました(図1)。

この結果はどのように調べられましたか?

アンケートで妊娠中のお母さんの特徴などの情報と血液を、病院に残された記録から赤ちゃんの情報をいただきました。そして血液中に含まれるダイオキシン類濃度を測りました。

この研究からのメッセージとしては?

妊娠中のお母さんがダイオキシン類にさらされる量が同じであっても、お母さんの個人差があるため、お子さんにも出生体重の違いがみられることが分かりました。ダイオキシン類によって化学構造を変えにくいお母さんから生まれたお子さんは、化学構造を変えやすいお母さんから生まれたお子さんよりも出生体重の減少はより大きいと考えられます。お母さんの個人差は変えられないものなので、妊娠中にダイオキシン類にさらされることを出来るだけ少なくすることが大事です。

出典: Kobayashi S, et al. Dioxin-metabolizing genes in relation to effects of prenatal dioxin levels and reduced birth size: The Hokkaido Study. Reprod Toxicol 2017; 67: 111-116.

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