参加者の皆様へ

お母さんの妊娠初期のビスフェノールAやフタル酸エステル類の濃度が高いと、赤ちゃんのレプチン濃度が 低くなる

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この研究の目的

私たちが使用するプラスチック製品に含まれる化学物質が、発育・肥満と関係する可能性が指摘され始めてい
ます。そこで、妊娠期にこれらの化学物質にさらされることが、赤ちゃんの成長に影響しているかどうかを検討しました。

レプチンとは?

レプチンは全身の脂肪細胞から分泌されるホルモンで、食欲を抑制し、エネルギー代謝を活性化させる機能を
もっています。レプチンは胎盤からも分泌され、胎児の成長に役割を担っています。諸外国の研究からは、レプ
チン濃度の減少は、胎内発育遅延や早産とも関係することが報告されています。また近年、レプチンが行動発
達と関係することも指摘され始めています。

ビスフェノールA(BPA)とは?

自動車などの乗り物、電気・医療機器類や水・食品の容器など、多くの日用品に使われるポリカーボネート樹
脂に含まれる物質です。歯科治療用の歯の詰め物や、缶詰の内側を被覆するエポキシ樹脂の中にも含
まれることが知られています。

フタル酸エステル類とは?

プラスチック製品などを軟らかくするために使用されています。中でも、約60%の生産量を占めるフタル酸ジ-2
-エチルヘキシル(DEHP)はポリ塩化ビニル製品に多く含まれています。またフタル酸ジブチル(DBP)は、
接着剤や印刷インクの添加剤としても利用されています

この研究からわかったこと

この研究に参加した人の臍帯血に含まれるレプチンの中央値(集団の真ん中の値)は4.8ng/mL(ng=10億分の1g)でした。また妊娠中のお母さんの血液のBPAやDEHP、DBP濃度が増加すると、臍帯(赤ちゃん)血液に含まれるレプチンの濃度が減少することがわかりましたが、出生体重への影響はみられませんでした。今後の成長過程における子どものレプチン濃度を注意深く観察していく必要があると考えられます。

出典:Minatoya M, et al. Prenatal di-2-ethylhexyl phthalate exposure and cord blood adipokine levels and birth size: The
Hokkaido study on environment and children’s health., Science of the Total Environment, 579, 606-611. 2017
Minatoya M, et al. Association between prenatal bisphenol A and phthalate exposures and fetal metabolic related biomarkers:
The Hokkaido Study on Environment and Children’s Health., Environmental Research, 161:505-511. 2017

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