11歳以降にワクチンで予防可能な病気について

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定期接種のワクチン

定期接種ワクチンとは予防接種法で定められた予防接種で、 一定の年齢になったら受けることが望ましいとされ、 保護者には努力義務が課せられている予防接種です。
ジフテリアとは
ジフテリア菌がジフテリアにかかった人の咳などから感染して、鼻、のどの痛みや熱から始まり様々な症状を起こす病気で、致死率は5~10%と言われています。
最近では1990年代に旧ソビエト連邦での大流行がヨーロッパまで波及し大問題になりました。このため、ワクチンによる予防が重要で、世界中どこでもワクチン接種が推奨されています。
破傷風とは
破傷風菌が傷口から入って体の中で増え、筋肉をけいれんさせる破傷風菌毒素を大量に出すためにおこる重い病気で、致死率は20%以上と言われます。破傷風菌は世界中の土の中に広く分布していて、現在でも日本で毎年100人前後の人が破傷風にかかります。破傷風もワクチンによる予防がとても重要です。
二種混合(DT)ワクチンとは
ジフテリアと破傷風を予防することのできるワクチンです。2歳頃までに三種混合ワクチンを4回接種した後、11歳から12歳の間に1回皮下注射します。費用は無料で、通常は市町村が指定する小児科
で受けられます。副作用として、発熱などの全身症状、接種部の発赤
などの局所症状その他の副作用が出現することがあります。
(注)近年の百日咳患者の増加から、二種混合ワクチンを三種に移
行することが検討されていますが、そのためのワクチンがまだ認可
されていません。現状では、遅れずに二種混合を受けておくことが推
奨されています。ヒトパピローマウィルス(HPV)によって引き起こさ
れる病気と、ワクチンについては、厚生労働省のホームページをご覧下さい。
過去に以下のワクチンの定期接種を受けていない場合、あとからでもワクチン接種により予防効果が期待できます。残念ながら自己負担にはなってしまいますが、ぜひ小児科医(可能ならワクチン専門外来)にご相談下さい。
●麻しん・風しん
2回目の定期接種を受けていない場合
●ポリオワクチン
経口ワクチン全2回または不活化ワクチン全4回接種を受けていない場合
●百日咳(三種混合)ワクチン
1回も接種を受けていない場合
●水痘ワクチン
2回の接種を行っていない場合
●BCG
未接種の場合

表1. 定期接種のワクチン( 11歳以上で接種するもの)

回数 時期 対象 場所 自己負担額
ジフテリア・
破傷風(二種
混合)ワクチン
1回 11歳~13歳 日本に住むすべての人 市町村が指定する小児科等 無料
ヒトパピローマ
ウィルス(HPV)
3回 12~16歳の女性 女性
(自費の場
合年齢に
上限はない
が、通常は
若年女性
のみ)
小児科、
産婦人科
助成対
象者は
無料

健康状態等により医師が不適当とした場合は接種できません。

任意接種のワクチン

任意接種とは
任意接種のワクチンは、定期接種と違い努力義務はありませんが、役に立つものがたくさんあります。

基本的には有料ですが、健康被害(強い副作用)が起きた場合には医薬品副作用救済制度が適用されます。
北海道に住む、特別な病気のないお子さんの場合、水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、ヒトパピローマウィルス(女児のみ)、そして毎年のインフルエンザワクチンが日本小児科学会により推奨されています。

 

表2. 任意接種のワクチン( 11歳以上で接種できるもの)

 回数  年齢・時期 対象 場所 自費/助成
 B型ウィルスワクチン 3回 出生時から 誰でも 小児科、内科等 自費
 おたふくかぜ  2回 1歳以上 誰でも  小児科、内科等  自費
 インフルエンザワクチン 2回(13歳以上は1~2回) 6ヶ月以上毎年10~11月  誰でも  小児科、内科等  自費
 A型肝炎  3回  16歳以上  誰でも  小児科、内科等  自費
(日本脳炎)  第1期:3回第2期:1回 第1期:6ヶ月~7歳半第2期:9~13歳 北海道以外に住む人 道外(一部道内)の小児科等  自費(道外では定期接種のため無料)

※医療機関により取り扱うワクチンの種類や在庫状況が異なります。事前に接種が可能かどうかご確認の上、受診してください。健康状態等により医師が不適当とした場合は接種できません。
※自費のワクチン接種費用は医療機関により異なります。通常は1回数千円程度(ヒトパピローマウィルスは1回1.5~2万円程度)です。

 

すべての人に役立つワクチン
ワクチンは特に小さなお子さんのためのものというイメージが強いかもしれませんが、今回ご紹介したワクチンの多くは、接種してい
ない大人に対しても効果的です。現在、国立感染症研究所で大人用のワクチンスケジュールを準備中ですので、発表され次第そちらを参考にして下さい。

おわりに
11歳以上の方のためのワクチンについて情報をまとめましたが、いかがだったでしょうか。定期接種以外にも多くの役立つワクチン
があり、まだ受けられていないものもあったのではないでしょうか。ぜひ表1.2.と母子健康手帳を照らし合わせて、ご活用下さい。

上記の情報は平成27年1月18日現在のものです。最新の情報についてはお近くの小児科医師に相談していただくか、国立感染
症研究所ホームページでご確認下さい。また、海外旅行時に必要なワクチンについては、厚生労働省検疫所 FORTH(旅行者の健康)ホームページをご覧下さい。

 

(参考)
国立感染症研究所 感染症情報センタ- 予防接種スケジュール
http://idsc.nih.go.jp/vaccine/dschedule.html
日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 2014年10月1日版
http://www.jpeds.or.jp/index.html
米国CDC CATCH-UP schedule (4 months to 18 years)
http://www.cdc.gov/vaccines/recs/schedules/child-schedule.htm

各ワクチン添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/
厚生労働省検疫所 FORTH(旅行者の健康)ホームページ
http://www.forth.go.jp/index.html