胎児期の化学物質と免疫の関係

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調べたこと

  • ダイオキシン類はゴミの焼却や工場で副産物として発生し、自動車の排ガスやタバコの煙にも含まれています。自然には分解されにくいので、海や陸、動物やヒトの体内に長期にわたって蓄積します。日本では、ごみの焼却が改善され、排出規制ができましたので、環境中の汚染レベルは低下しています。
  • 現在、日本で大人が日常生活の中で自然に摂取している一日あたりのダイオキシン類の量は、安全基準とされている量よりも少ないと考えられます。しかし、胎児や子どもへの安全域はわかっていないため、調査研究が必要です。ダイオキシン類は胎盤を通過するので、胎児期にダイオキシン類に曝(さら)されると、生まれた後の免疫の発達に影響する可能性が報告されています
  • 北海道スタディでは妊娠中の母親のダイオキシン類レベルが生後18か月の幼児のアレルギーや感染症の発症に与える影響を検討しました

 

わかったこと

  • 日本、特に札幌は世界的にも汚染レベルが低い
  • 妊娠中の母親の血中ダイオキシン類濃度が高いほど、生後18か月の乳幼児が中耳炎になるリスクが高く(中耳炎にかかる割合が高い)、特に男児でこの傾向が高い。
  • しかし、喘息や湿疹の発症への影響は認められなかった。

文書2

*母体血中のダイオキシン類(PCDFs)濃度による18か月児が中耳炎にかかるリスク (Miyashita et al., Environmental Research 2011)

今後の研究

普通に生活していて曝(さら)される量であっても、環境化学物質が、子どもの健康に影響を与えている可能性が示されました。より詳しいことを明らかにするためには、免疫機能が発達して、アレルギーの診断が明確になる学童期まで追跡調査をする必要があると考えられます。

日常生活で気をつけることは…

肉・魚・野菜・穀物のバランスのとれた食生活をすることで、偏った食事からの特定の化学物質の摂取を避けることができ、また体内の代謝を整えることにより化学物質の排出も促進されます。妊婦さんやお子さんがタバコの煙を避けることも大事です。