床のホコリ中のフタル酸エステル濃度

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ポリ塩化ビニル(PVC)製の床材を使っている住宅では、ホコリ中のフタル酸エステルの濃度が高いという結果になりました。

フタル酸エステル類は、ポリ塩化ビニル(PVC)やプラスチックを柔らかくするために添加される合成化学物質です。食品容器、子どもの玩具、家具、電気ケーブル、ビニル製の床材や壁紙、合皮などのほか、塗料、接着剤、化粧品、ボディクリーム、香料などの、私たちが普段使う生活用品にも含まれています。プラスチック製品は私たちの生活を非常に便利に快適にしてくれましたが、その一方で、近年、フタル酸エステル類にばく露する(さらされる)ことによる生殖機能や、発達、アレルギーへの影響が懸念されています。

調べたこと

床のホコリに含まれるフタル酸エステル類を住宅の床材別(ポリ塩化ビニル、集積材フローリング、絨毯敷詰め、畳・タイル・無垢材)に調べたところ、フタル酸ジイソブチル(DiBP)が、接着剤を使って接着された集積材フローリングの床とポリ塩化ビニルの床の住宅で高濃度に検出されました。また、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)は、ポリ塩化ビニルの床の住宅で高濃度に検出されました。
現在、DEHPは一部の食品容器や子どもが口に入れる可能性のある玩具への使用が禁止されています。

DiBPもDEHP同様、アレルギー反応を誘発増強させる効果が動物実験によって報告されていることから、DiBPが含まれる製品に対しても規制などの対策が必要であることが考えられます。さらに、今回測定した床のホコリに含まれるDEHP濃度は海外の研究と比較して高値を示したことから、日本の住宅ではDEHPのばく露に特に注意を払う必要があると考えられます。

 

図1

 

 

 

 

 

図1 床のホコリに含まれるDiBP濃度と床材の種類との関連

 

図2

 

 

 

 

 

図2 床のホコリに含まれるDEHP濃度と床材の種類との関連 (丸は最少二乗平均値、棒は95%信頼区間を示す)(Ait Bamai et al., Sci Total Environ 2014)

気を付けること

フタル酸エステル類の取り込みを抑えるには、手洗いを

手についたホコリを口に入れてしまうことで、フタル酸エステル類を体内に取り込んでしまう可能性があります。そこで、室内で遊んだ後にも、屋外で遊んだ時と同様、手洗いを丁寧に行いましょう。また、油の多い食品をレンジで温める際は陶磁器製の食器に移し替えるなど、ちょっとした工夫で、体内への取り込み量を下げることができます。