アレルギーと住宅環境

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アレルギーが増えています

アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支ぜんそく、花粉症、食物アレルギーをはじめとするアレルギー疾患が、特に若年層を中心に急増しています。厚生労働省の調査では、日本人の3人に1人が皮膚・呼吸器・目鼻にアレルギー症状があると報告されています。

カビ・ダニや身の回りの化学物質が住宅環境を悪くしています

通気性や吸湿性に富んだ昔ながらの木造住宅に比べ、現代の住宅は湿気を逃がしにくい特徴があります。「カビ」や「ダニ」は湿気を好みます。さらにカビやダニがもっとも発育する温度は20~30℃です。湿度が高く、エアコンなどで室内を1年中快適な温度に保つということは、カビや
ダニの発育にもっとも良い条件となってしまっているのです。
普段から何気なく使っている防虫剤・芳香剤、洗剤や化粧品など、わたしたちの身の回りには「化学物質」がたくさん存在しています。これらの化学物質も含め、カビ・ダニなどが現代のアレルギー疾患の増加に影響していると考えられています。

おうちは健康ですか?

ご家族にアレルギーの症状の方はございませんか?また、おうちの中のにおいが気になったり、カビのにおいがしませんか?
札幌で行ったわたしたちの研究により、おうちにいる時にアレルギー症状と似た症状を訴えるシックハウス症候群が、“カビのにおい”などと関係していることがわかってきました。もし、ご自宅のカビのにおいが気になるなら、ご家族はアレルギー予備軍なのかもしれません。一度、おうちのヘルスチェックをしてみてはいかがでしょうか?

おうちのヘルスチェック・お部屋の換気はしていますか?

まずはこまめに換気をしてみましょう。換気によってカビやダニが好む湿気を屋外に追い出すと同時に、室内に溜まった化学物質も追い出すことが期待できます。窓を開けて換気をする際には、ドアや窓を2ヶ所以上開け空気の通り道を作ると効果的です。

おうちのヘルスチェック・掃除機のかけ方は適正ですか?

毎日掃除機がけをしているから、ダニもホコリも取り除かれているはずと安心していませんか?掃除機は何でも吸い込んでくれる便利な魔法のほうきのような気がします。しかしその一方で、ホコリの細かい粒子、ダニの死骸やフンが排気として掃除機から出され、室内の空気を汚している場合があります。時としてこの細かい粒子の方が、アレルギーに対して悪い影響を及ぼすことがあります。掃除機を使う場合は、掃除中はもとより掃除後しばらくは窓を開けて換気することが重要です。特にフローリングの床は細かいホコリの粒子が舞いやすいので、拭き掃除を併用すると効果的です。また、アレルギー疾患のある方や乳幼児は、掃除中は別の部屋に避難させることも必要です。

おうちのヘルスチェック・お布団のダニ退治はしていますか?

真夏の炎天下にお布団を干しても、ダニは死にません。お布団の天日干しの目的はお布団を乾燥させることで、ダニが住みにくい状態にすることなのです。北海道では、冬の間天日干しは難しいので、布団乾燥機を利用すると良いです。そして実は、大事なのは「布団たたき」の方です。
お布団の綿が切れない程度にたたくことで、生きているダニ、死骸やフン、ホコリがお布団の表面に出てきます。これと同時に掃除機で表面に出てきたダニなどを吸い取るのが、ダニを減らす布団たたきの“コツ”です。掃除機からはダニの死骸などが排出されますので、ここでも換気をお忘れなく。

その他、ご家庭でできる対策に“炭の利用”があります。ご家庭でよく使われている芳香剤・消臭剤の替わりに、炭を置いてみましょう。炭が空気中の臭いや化学物質を吸着し取り除いてくれます。また、押入れなどに炭を置いておくと、炭は余計な水分を吸ってくれ、乾燥したときには逆に水分を放出してくれます。
育児に仕事にと、何かとお忙しいお母さん、お父さん。小さなお子様、ご家族の健康のためにできることからはじめてみましょう。

参考文献
シックハウス症候群とその対策 シックハウス・シックスクールを防ぐために(オーム社)
体によい家・悪い家 住まいの中の毒・ダニ・カビ(講談社)
家の中のダニ(裳華房)
炭博士にきく 炭の神秘(⑭DHC)